2016年08月26日

冨田紀久子さん|借耕牛の絵物語

 かつて香川にあった農事の風習。
 皆無となった現代、次代へと語り伝えるべく絵巻物として残していらっしゃいます。

 にほんブログ村 地域生活(街) 四国ブログ 香川 その他の街情報へにほんブログ村 美術ブログ アートのある暮らしへ
 ブログランキングに参加中です。上のバナーをクリックして下さい。↑
 まずは最後までじっくりと読んでね。宜しくお願いいたします。(一日1回

 7:45 2016/08/25

 高松市在住のデザイナー、冨田紀久子さんの個展が高松市で開催されます。

平成28年9月|冨田紀久子さん「借耕牛の絵物語」(高松市太田上町・ふれあいさろん&ギャラリー)

 紀久子さんは高松市立高松第一高等学校、女子美術大学OG。現在、デザイナーとしてご活躍ですが、5年前からライフワークとして新たに始めているのが絵巻と紙芝居です。テーマとして選んだのは『借耕牛』(かりこうし)です。
 借耕牛とは、夏と秋の農繁期に徳島の山間部の農家から農作業のために賃借りする牛のこと。江戸時代の中期の文化年間の頃から始まったといわれ、昭和30年代まで続いていたそうです。
 徳島の山間部では草資源が多く牛を飼いやすく、また香川県の平野部は水田が多く、稲わらや麦わらは副業に使用するため、草資源に乏しく、牛を飼うのが容易でなかった。そんな事情から徳島から牛を借りて農作業が行われるようになったとされます。琴平周辺に於いても、主に三頭峠(旧琴南町[美合口])や猪之鼻峠(旧財田町[猪鼻口])、それに東山峠(旧仲南町[塩入口]);どこも香川県内では一番多くの借耕牛が通過したという記録が残っています。
 紀久子さんは仕事の傍ら聞き取り調査や資料を基に墨彩画で絵巻と紙芝居を制作しました。
 タイトルは『カリコと少女』。カリコとはもちろん借耕牛です。主人公の女の子が耕作牛と一緒に阿讃山脈を越えてくるという、史実を基に創作していったもの。子供たちにも永遠に親しみやすいように、童話風に仕上げたストーリーに仕上げています。
 大作は大学のOG展で発表した他、紙芝居活動も展開していらっしゃいます。紙芝居用の絵は、三木町の文化交流プラザの屋上広場に34枚にも及ぶ場面の一つ一つがパネルとして展示されているほどです。
 幼い、あるいは若かりし頃の往時を知る方々は懐かしいものであろう。とはいえ、文化として語り継がなければならない展示ですので、特に若い方々にはお勧めしたい。
 今回の展示では今年の香川県美術展覧会に於いて入選となった、同じ借耕牛をテーマにした作品も展示いたします。彼女にとってはなんと45年ぶりの入選だったそうです。是非ともご覧いただきますよう。
 香川県デザイン協会、香川県美術家協会(洋画)各会員。
(隆)

 写真|昨年3月の展示より(町立ギャラリーACTことひら)
 このあとの関連記事には紙芝居の画像が入っております。
 --------------------
 平成28年9月1日(木)~9月23日(金) 10:00~15:00
 定休日|土曜日、日曜日、祝日
 最終日はぼちぼちと早めに搬出します。
 連絡先|℡(090)5918‐0675【下記、地図不掲載】
 会場と場所は地図の通りです。
 連絡先及びオフィシャルサイト、道程は“拡大地図を表示”をクリックして下さい。



【関連記事】



同じカテゴリー(絵画)の記事
 高松工芸高等学校デザイン科 グラフィックデザイン作品展2023 (2024-02-20 17:45)
 堀 安二氏|表具師からの第二章 (2023-10-16 23:30)
 三好 鋭郎氏|不自由な足が世界を広げてくれた (2023-09-29 13:30)
 岡部 文男氏|絵を描くことを生きがいに (2023-08-01 16:00)
 高松工芸高等学校デザイン科 グラフィックデザイン作品展2022 (2023-02-21 23:00)
 観音寺市・宗鑑祭にちなむ俳句絵手紙展(令和4年度) (2022-12-06 17:45)

Posted by Jirou.H/マーマ  at 19:00 │Comments(0)絵画

記事に対して誹謗中傷的文言はお断りしております。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。


削除
冨田紀久子さん|借耕牛の絵物語