2015年03月02日

かつて香川の農業を支えた借耕牛をテーマに…

 かつての風習を次代へと語り伝えたい。
 仕事の傍らで、数年前から始めたライフワークの足跡を紹介いたします。

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 10:28 2015/03/02

 高松市在住の香川県デザイン協会会員、冨田紀久子さんの個展が琴平町で開催されます。
 紀久子さんは高松市立高松第一高等学校→女子美術大学OG。現在、デザイナーとしてご活躍ですが、4年前からライフワークとして新たに始めているのが絵巻と紙芝居です。テーマとして選んだのは『借耕牛』(かりこうし)です。
 借耕牛とは、夏と秋の農繁期に徳島の山間部の農家から農作業のために賃借りする牛のこと。江戸時代の中期の文化年間の頃から始まったといわれ、昭和30年代まで続いていたそうです。
 徳島の山間部では草資源が多く牛を飼いやすく、また香川県の平野部は水田が多く、稲わらや麦わらは副業に使用するため、草資源に乏しく、牛を飼うのが容易でなかった。そんな事情から徳島から牛を借りて農作業が行われるようになったとされます。
 「今や死語、レジェンドとなってしまった農業を支えた風習。何とかして香川の言い伝えを次代に語り継ぎたい。」
 紀久子さんはそんな一心で、墨彩画で絵巻と紙芝居を制作しました。
 タイトルは『カリコと少女』。カリコとはもちろん借耕牛です。主人公の女の子が耕作牛と一緒に阿讃山脈を越えてくるという、史実を基に創作していったもの。子供たちにも永遠に親しみやすいように、童話風に仕上げたストーリーに仕上げています。

冨田紀久子のライフワーク『カリコと少女』

 大学のOG展で発表した他、紙芝居活動も展開していらっしゃいます。紙芝居用の絵は、三木町の文化交流プラザの屋上広場に34枚にも及ぶ場面の一つ一つがパネルとして展示されているほどです。
 琴平では初めて展示で、『峠を越えて「カリコと少女」墨彩絵巻物語』と銘打ちました。
 琴平周辺に於いても、主に三頭峠(旧琴南町[美合口])や猪之鼻峠(旧財田町[猪鼻口])、それに東山峠(旧仲南町[塩入口]);どこも香川県内では一番多くの借耕牛が通過したという記録が残っています。
 幼い、あるいは若かりし頃の往時を知る方々は懐かしいものであろう。とはいえ、文化として語り継がなければならない展示ですので、特に若い方々にはお勧めしたい。
(隆)

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 平成27年3月3日(火)~平成27年3月31日(火) 9:00~17:30
 休館日|水曜日
 最終日は早めに搬出いたします。なるべく早めにお越し下さいませ。
 会場と場所は地図の通りです。
 連絡先は“Googleマップで見る”をクリックして下さい。




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Posted by Jirou.H/マーマ  at 23:53 │Comments(0)絵画

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